こんにちは!いい曲げわっぱライフを送っていますか?
毎日使っているという方や、まだ使った事が無いという方にもわかりやすく曲げわっぱを解説していきます!
今回は漆塗りやウレタン等の塗装について簡単に説明していきますのでよろしくお願いします!
今日ね、曲げわっぱを買おうと思って色々ネットを見ていたら、漆塗りの曲げわっぱがあったんだ!しかも値段もすごく安かったし!
漆塗りって高級品のイメージがあって憧れてたから、せっかくだし買っちゃおうかな~。
いいね!漆器で有名なのは福島県の会津塗や石川県の輪島塗、青森県の津軽塗等など日本各地に色々あるね。
海外では漆の事を「japan」と呼ぶくらい日本の伝統工芸品みたいだよ!
因みにその漆塗り曲げわっぱはいくらで売ってあったのかな?
確か3千円くらいだったかなぁ。値段からみて多分海外製の曲げわっぱだと思うけど、塗装は国内仕上げって書いてあったから安心だね!
…申し訳ないけどそれ、本物の漆塗りじゃないよ。正確には漆塗り「風」のウレタン塗装だね。
本来漆塗りっていうのは漆の木から取れる天然の樹脂を、ここでは書ききれないくらい沢山の工程を経て塗り重ねていく事で深い艶と丈夫な塗膜を作り出す技術なんだ。
漆塗りの曲げわっぱは、技法によっては安くても1万円前後から、高い物だと3万円くらいする物もあるんだよ。
えぇ!?漆塗りにニセモノがあるの?…冷静に考えたらそんなに安いわけ無いよねぇ。
言われてみれば透明のウレタン塗装と値段がほとんど同じだったよ。
でも、ウレタン塗装自体は悪いものじゃないんでしょ?
着色ウレタン塗装仕上げとか、漆塗り風塗装とか書いてくれたらいいのに!
もちろんウレタン塗装は悪くないよ!家具にもよく使われているし塗膜も丈夫だから傷も付きにくく耐水性もある。
「漆塗り」って書くのは多分売れやすくするためだろうね。ほとんどの人は違いもわからないし、高級そうで響きがいいからね。
本物かどうか拘りが無くて見た目重視の人はあえて選んでみてもいいかもしれないけどね。
漆塗りってただの概念と化していた…?
残念だね。なんでこんな事がまかり通っているのか…。
とりあえず安いのはウレタン塗装なんだね。
商品のレビューを見てると満足してる人多いみたいで、なんか複雑。
まぁ良いと思ったならそれはそれで良かったとは思うけどね…。
ただ、問題なのは商品の説明書きだね。ウレタン塗装を漆塗りって書くのはもちろん、「木の香りがいい」や「木の吸湿効果」とか、本来の無塗装の曲げわっぱと同じ言い回しをしているんだ。
前も説明したように、ウレタン塗装は丈夫な塗膜で傷の付きにくさや耐水性を高めた物なんだよ。
あ、たしかに水が染み込まないのに吸湿効果っておかしいよね!機能面で言えばプラスチックの弁当箱と似たような物なのに…。
でもレビューでは木の香りがしたとか、いつもよりご飯が美味しかった!ていうのもあるよ?
どういう事なんだろう。
多分それはプラシーボ効果か、塗装が薄くてかろうじて効果が残ってたのかもしれないね。仮にそうだとしても、塗装面に染み込んだって事は逆もしかりで塗装面から放出される事でもあるよね?安全な塗料だとしても、正直気分は良くないよ。
物によっては木の匂いじゃなくて塗料の臭いが残ってたりする物もあるし。時間経過によって臭いもしなくなってくるけどね。
思い込みほど恐ろしいものは無いからね…。
せっかく大切な家族や自分のためにおいしいお弁当作ってるのに、しっかり理解出来てない物にご飯入れるのはもったいないよ。
もちろん理解したうえで使うのは全然良いと思うけどね!
満足してる人に横槍入れて気分を害する気は全く無いけど、せめて違いはわかって欲しいね!
漆塗りを買うなら是非本物を選んでほしいし、木の香りや吸湿性を求めるなら無塗装の国産曲げわっぱを買ってほしいね!
さて今回はここまで。ありがとうございました!
次回予告:柾目って?桶樽から学ぶ曲げわっぱの機能性